昨夜は遅くに、体力的にものすごくくたびれて帰ってきたので、かろうじて猫のこと(ごはん/おやつ/トイレ掃除/だっこしてチュウ/などなど)を少しして、ろくに着替えもできずにそのまま眠ってしまいました。
今、外は強く雨の降る朝です。
ネルネルは、窓辺のかごで、すうすういびきをかいています。
早朝から、ちょっとずつ気を張る作業をすすめながら、ふと、いい記憶もいやな記憶もいくつも雨の黒雲のむこうにぷかぷかと浮かんでは空へ消えてゆくのが見えました。
20年くらい昔、演劇の雑誌に個人的にインタビューしていただいたことがありました。
確かスタッフワーク特集かなにかだったように思います。
名だたるスタッフ陣のかたがたにまじって、私は自分の劇団制作という仕事について、いくつかお話させていただきました。
その雑誌は最後まで大切にしていたし、何冊か買って父にも送ったのを覚えています。
そのあとです。
「制作のくせに、なんで取材とか受けてるの?」というようなことを私に言ってきた人が、当時の劇団内にふたりくらいいました。
「制作のくせに」。
それは人前で、笑い流せないくらい執拗でみにくい言い方だったのでした。
「ああ、この場(劇団)は、もう、…長くはないんだな」と、その時私はしずかに思いました。
私は、自分の携わってきた、小劇場界の劇団制作という仕事をとても大切に思って30代なかばまでの日々に立ち向かってきたことと思います。
呼吸がくるしくなってきたので、もうこれ以上のことは書きません。
今現在の自分が、おさないころから好きだった「書く」「描く」ことを、ちゃんと思い出せたこと、ずっと友達だった音楽をまた胸に響かせるようになれたこと、そういう道のりでふりきって生きてゆくこと。
どんな物語にも、日々は続いてゆきます。
私はまた、止めていた手を動かして、自分の今朝の作業に戻るのです。
そこから次々ととびたってゆくものが、ほんの一瞬でも、誰かのあかりとなれたらいい。
そんな雨の朝にいます。
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