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「空の色を書きとめておく」

naitou

寒い早朝に根負けして、作業机のはしっこ、窓辺にネルネルの籠を置いたわけです。

とたんにくつろぐ黒猫。

朝風呂かっつーの。

そしてどんどん狭くなるわたくしの作業スペース。


昨日、公演明けのユリコさんが、タンバリンを返しがてら遊びに来てくれました。

自分の公演を終えたばかりで張りのある笑顔をしていて、いろいろお話しできてよかったです。


最近、もよりの駅に向かう途中の大きなビルが解体工事に入っていて、その表示をなんとなく眺めていたら、昔、ちいさくかまえていた自分の会社が入っていたビルと同じ名前なことに気づきました。

寒かったし裏は墓場だったし、2階の建築会社のおじちゃんは怖かったし、道はせまくて搬入のトラックが全然入ってこれなくて、衣裳とか小道具を手持ちで向こうの道路まで運ぶしかなかったり。

でも9年くらい、そこにいたと思います。

新人だったユリコさんや、当時の他の新人の子たちが、かわいらしくせっせと小道具を作っているのを横目に仕事をしていた夏の記憶、あれはいつのなんだったっけ……

神楽坂から江戸川橋へと向かう細い路地に、そのビルはありました。

いえ、もうないかもしれません。


空の色を書きとめてゆくことは、ちゃんと忘れてあげることにも、どこか似ていて、

私は今日も。



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