お夜食に、カレーを作ろうかそれともケーキを焼こうか、と、だいぶ方向性の違うことをずっと考えている。
私の背後では、猫がにょろにょろとひきだしにもぐりこもうとしており、けっこう楽しそうなのでもうひっぱりだす気にもなれずに、「からいもの…もしくは、あまいもの…」だなんてな。
おととい、4畳半の自室に、巨大な作業机が届く。
絵を描く机と、PC作業の机を別にしたら、一気に楽になった。
いやしかし、私も猫も遭難するかと思ったくらい大がかりなもようがえだった。
「だからネルはひきだしに入れないんだってば!」と何度叫んだことか。
「『にゃおん』とか言ってる場合じゃないよ!」とかね。
この冬から春にかけて、猫と暮らすにあたって、さまざまな切り替えに心身を費やした。
私はこの半年で、本を400冊くらい、処分した。
ずっと本によりそってきた私にとって、大決断だったと思う。
ひとつひとつ、タイトルをつぶやきながら、段ボールに入れていった。
たまに、「どうもありがとう」と言うこともあった。
本当に、どうもありがとう。と思っていた。
私への役割を、それぞれが、ひとつもふたつも終えたことだったからだ。
そばにいてもいなくても、本も音楽も、
「ああ、そういうことだったんだ」と
ずいぶんあとになってわかることが、いくつもある。
そう思えるだけの重みで、ずっとそばにいてくれたことは確実なのであって、私の中でまわりつづける物語と、響き続ける音楽は、もう終わることがない。
そういう時期が来たんだと思う。
猫はただ、それをみちびく天道虫だっただけでね。
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