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naitou

「優しい三日月」


梅雨だし貧血だしこの日付だし。と思って、しずかに低空飛行な今日の私。

いっしょうけんめい帰宅して、あらゆることごとをやっつけて、ついさっきまでGOMES THE HITMANの配信ライブを観ていました。

このライブは配信しないと以前言っていたのに、今回の配信を決めてくださった山田さんGOMESの現旧メンバーのみなさま、本当にありがとうございました。

また新しい日々が始まりそうです。

だいじょうぶ、こともなげにやってゆきます。

そう。いつだって、あの歌を持って行こう。

そしたらこの旅も、そんなにはてなくないかもしれない。

今日もそう思うために、ものすごく優しい色をした夕焼けのなか、自転車を走らせて帰宅したのだから。


最近、布団を新調したのだけど、ふとふりむくと、黒猫ネルがふっかふかの布団の上に横たわっていることが多くてね。

それはまるで発掘しかけの恐竜の化石のように半分沈み込んでいる姿でしたので、思わず「銀河鉄道の夜」で途中下車したジョバンニとカムパネルラが古代生物の発掘現場に出くわす場面とその絵面を思い出したりもします。

でもその布団、きみの布団じゃないんだよ…ネル。


私は毎日、ネルとないしょ話をする。

ネルより先には、絶対に死なないこと。もし来世で生まれ変わったらちゃんとわかるように合図してねってこと。

ネルはくろい瞳で私を見つめる。

部屋にかかっている曲(だいたいGOMES)と、まったくちがうリズムでしっぽを揺らしながら、おでことぬれた黒い鼻をくっつけて、私たちはよく笑う。


先日のあけがた、急に書けるようになったことがいくつかあって、あそっかと思って、数時間作業していた。

いくつかの、いくつもの、絵と言葉と景色。

この、今の暮らしを通して、だれかなにかにそっと響いてゆけたらいい。

そんな私のもくもくと続く作業をよそに、ネルは黙って、窓の外を眺めているいつも。

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