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naitou

「何度も」


帰り道、もより駅の人のいない寒いホームで、しばらく動けないでいました。

いえ、体がしんどかったとか、そういうことではありません。

夜の電車をいくつかみおくって、つめたいベンチで夜空をみあげては、深く息をつきました。


さっき聴いてきた歌の数々に、とりわけ本編の最後に歌ってくれた歌に、

ものすごく入り込んでしまった私がいました。

「泣く」とかの段階を、もう、かんたんにすっとばして。


壊された日々はこうして、ひとつずつでも確かに、よみがえってゆく。

何年も、十何年もかけて。

自分の言葉で、地に足をつけては、何度も。

何度も。

そんな歌を聴いた夜でした。



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