昔、とあるプロデュース公演に制作参加した時のことでした。
その直前に観た他劇団の舞台のオープニングがものすごくかっこよくて、その振付をしてらした、ご出演の女優さんに夢中で感想を話したことを覚えています。
途中でふと「内藤さんバンドとかやってたの?」と訊かれました。
「髪とか爪の色とか、なんか、制作さんっていうかバンドっぽくない?」
たぶん、赤っぽいオレンジっぽい髪(おかっぱ)と水色のマニキュアかなんかが自分の中で流行っていた頃だったかと思います。
さすがまわりをよく見ていらっしゃいましたね。
その女優さんと現場をご一緒したのは、数回もなかったかと思いますが、その後も稽古場や劇場やよその現場で会うと、優しくていねいにごあいさつしてくださって。
私の仕事人生最後の1、2年くらいか、私がもうかなり疲弊しきっていた頃ですが、どこかの現場ですれ違った時に、遠くからわざわざ話しかけに来てくれてそのことがとても嬉しくって、そのあと元気が出たこともよく覚えています。
今はもう、ほとんどお化粧もやめて爪もぬらずに切りっぱなしの黒髪(おかっぱ)ですごしている私ですが、あの頃の自分も今の自分も、変わらず大切にしてゆきます。
あの時、ありがとうございました。
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