昨日の午後は、美容院へと向かう道すがら、車道を離れて奥まった遊歩道を写真をとりながらしずかにゆっくりと歩き続けました。
高校から大学の頃、初めて書いた小説の主人公が飼っている猫の名前は「モミジ」だったかな。などと、けっこうどうでもいいことを思い出しながら。
この遊歩道はどこまで続くのだろうとぼうっと思っていました。
こっちの方向から行くことは決してまちがっていないのだけど、こういう時は意外にあっちから足を踏み入れてゆけば気持ちがすんなりいくんじゃないの?
だなんてことを、今日はとても身近に考えるような日でした。
それは、今日は文学でも絵でもなくて、音楽というものにかかわるたくさんの場面をもって、私の胸をうつのでした。
なんだか不思議に、音楽にまつわる話ばかりする日だったように思います。
そしてもはや私の大切なともだちとなったアコーディオンの本来の持ち主である音楽家のかたとお話した後には、しみじみと泣きだしてしまいそうな気持でいっぱいでした。
最後に、夕暮れ時の商店街ですれ違った「ナイトライト」ご出演のピアニスト大背戸さんにすこやかに笑って手を振って、はなうたをちいさく歌いながら自転車で帰ってゆく私。
家に着けば、こたつからぬくまったネルネルがねぼけまなこでむかえに来てくれることだろう。
私たちはきっと笑っておでこをくっつけて、台所のかたづけものをしながら明るい灯のもとで、山田さんのクリスマスアルバムをかけて、もう歌えるところは一緒に歌うことだろう。
そんな日々、そんな夜。
ひとつずつ還ってゆく明日を、今はただ見ていよう。
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