ごはんをあげる時、遊んでいる時、眠りにつく時、ネルはよろこびのあまり、
「ぷるっぷる」とか「ぷるりーら」「うきょうきょ」などど言うことがあります。
ごくたまに「とろわしゃんぶる」という時があって、毎回私はごていねいに「あ、それ、下北にある喫茶店の名前だよね」とこたえてあげることにしています。
実際には、劇場方面ではない位置(王将方面)の「トロワシャンブル」にはそんなに何度も足を運んだ記憶はなくて、うちあわせ中心だった当時の私はと言えば、いつもお世話になっていた駅前劇場と本多劇場の間に位置する半地下の「ぶーふーうー」を中心として通っていました。
公演中の夜中のうちあわせなんかは、もうくたびれすぎて、コーヒーとか飲めなくて、ぼんやりホットミルク頼んでみたりね。
ひとりでそっとすごしたい時は、今はもうないと思うけど、作家さんの本屋さんの上、レコード屋さんに隣接する「ONSA」(だったかな?)によく行ってました。
その頃の演劇人王道のうちあわせスポット、新宿のシアタートップス1・2階トップスカフェでは、舞台図面や模型などひろげつつの大人数で申し訳なく、いや相当お世話になっていたこととも思います。ありがとうございました。
ある時そこでのとある仕事のうちあわせ内容をネットにざーっと書かれて(背後で聞き耳をたててメモっている心ないひとがいたもようです……)以来は、京王ホテルの「樹林」とか、新宿三丁目の「らんぶる」とか、内容によって分散することにしていました。
吉祥寺ではうちあわせらしく机の広い「デニーズ(今はもうないですね)」「ココス」、また、公演前後は劇場併設のカフェが活用できるのでよく行っていました。
スターパインズカフェから奥のほうに行くと、当時は24時間営業のバー(なのかしら?たぶん東京基地系列だったかと)があって、最後の公演中に、夜何度か通ってゆっくり最後の大入り袋の名前を心を落ち着けてひとつずつ書くことにしていました。
もう心はばらばらだったと思います。
お店のおにいさんが「なに書いてるんですかー?」とか気にしていろいろ話しかけてくれて「今そこの劇場で芝居やってて…もうすぐ終わるんで…」などなどかろうじて少しこたえたりしていました。
最後のうちあげで、劇団側からなぜか花束をもらいました。
ちょっとどうかと思うくらいひどく私を追いつめて大きく損なったひとがくれた花をどぶにたたき捨てようと思って、無言でみなと別れてひとりであけがたの路地を歩いていたら、またその24時間バーに着いたので、ぼんやり入ってひとりで少しすごしました。
きっと、そのバーも、今はもうないんでしょうね。
今では楽しくよく通うスターパインズカフェから、ひとつ奥の路地にはもうずっと入ったことがありません。
べつに、もう、それでいいのだと思います。
日々は優しく、朝日はあたたかく、猫はすうすう眠って私は笑って。
今日はものすごくひさびさになにもない日なので、時計がゆっくりとまわってゆきます。
まだ朝のうちなのだし、こたつを出してネルネルとごろごろ、という理想の休日をめざして、ちょいとあちこちかたづけものでもはじめようかと思います。
じゃあねえ。
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