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naitou

「そしてぼくらは冬へと向かう」



何をしているかと言うと、カレンダーと年賀状とクリスマスカードの絵を描いているのです。

もちろん「え、…今?」と思われてもいっこうにかまいませんのです。


展示「ナイトルート」終了しました、たくさんのご来店ありがとうございました!

ほんとうは昨夜今日が搬出だったのですが、もうどうにも気持ちも体も動けないということで、作業は明日にさせていただきました。

ほんとうにみなさま、どうもありがとうございました。


この世のすべての猫は眠りの粉を隠し持っていて、ちかづくものたちに、おりをみてはさらさらとふりかけてゆくという………

暖房にぬくまってのびをした足先が、そばに寝ている私の頬にめりこんでいることにもいっこうにかまわなくのびのびと暮らす黒猫ネルを見ていると、そんな昔話めいたことをよく思います。

これから、おゆうはんのしたく時間まで、もうちょっと眠ろうかと思って。


小中学生期、転校が多い設定だった私は、好きな動物を飼うことはできなかったけれど、

初恋の男の子が猫飼いの猫好きだったので、ずいぶんいろいろと教わりました。

彼が毎日のように「うちの猫はほんとにかわいくてかわいくて」みたいに言うので、ある日学校帰りに家に遊びに行ったら、長毛種のおっとりふわふわした子がゆったりと毛布に寝そべっていて、慣れない私はつい「わー、たぬきみたいだね」とうっかり言ってしまって「そんなんじゃないんだ!」とかわゆく怒られたこと、今では楽しい記憶です。

同じ本が好きだったことで仲良くなった私たちは、小学4年生の当時、どんなにからかわれてもいつも一緒にすごしていて、なんでも話して共有して、絵画クラブでならんで仲良く絵を描いていました。

5年生になってすぐ、私はまた遠くの県へ転校してゆくことになってしまって、その男の子とはもう一生それっきりなのだけど、

<私、今、猫と暮らしてるよ。絵を描いているよ。あの時期、一緒にいてくれてありがとね>

なにもかもをさみしく思えて、世界が自分にともなわなくて、物語の中に住んでいたあの頃といっこうに何も変わっていない私は、これからも絵を描くし物語をつむぎつづけます。

約束。


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