先日書いたように、我が家の黒猫ネルを、いろんな名前で呼んでみるのが最近私の中で流行っているのだけど、今朝がた、ふと「ネルニャー?」と読んでみた。
昔、劇団ぐるみで親しくさせていただいていた「猫ニャー」に似た発音で。
2000年2月、猫の名前のつく3劇団で、「猫演劇フェスティバル」という公演を三鷹でうった。
私がずっと携わっていた劇団はその時だけ、名前に「猫」をつけた。
みんな若かったし勢いがあったし、きらきらしていた。そんなに猫好きのひとはいなかったけど、今の自分たちにしかできない企画をしている大切な自覚は全員あったと思う。
私は総合制作という立場で、全体像を見渡せる位置にいたから、どんなに大変でも、何をやっても楽しかった。
今でも、「2000年」を軸に、「あの公演はあれから何年後だから、何年」などと、数えることがある。
今でも、自転車に乗っている時などにたまに思い出すオープニングの歌。3劇団の出演者全員の笑っちゃう正装とコーラス。本番中の楽屋のうす明かりに息づくたくさんの影たち。「ケータリングって…なに?」っていうかわいらしい時代。売れてゆくチケットのお知らせ。自由自在に使わせていただいた星のホール。
50人を軽くこえる、あの時の直接の出演者やスタッフのみなは、今はどこでどうしているのだろうと思うこともある。
私も、あれからずいぶん遠くに来たほうだとは思うけど、各劇団、ひとそれぞれ、さまざまな道をあゆんでいったことだろう。
あの時のみなさま。おかげで、22年たっても、大切に楽しく思い出すことができています。どうもありがとうございました。
「FLASHBACK DAYS」。
楽しかったこと、大切なことは、できるだけ書いておこう。
きっと私は、なにごともどんなにつらそうにも悲しげにも書くことができるし、実際劇団最後の日々の続く悪夢はもう思い出したくもないことばかりで、今でもはっきりと具合が悪くなることがある。
けれども、長年あの立場であの景色を見渡していた私だからこそ、描いておかねばならないことは、本当にいろいろあって、それは、もう、本当に何の役に立たなくてもいい、ただあの頃の誰か、当人たちでも活動を応援してくださっていたたくさんのかたがたやなんかの誰でもいい、私がそれらを大切に描き残すことで、誰かがほんのちょっとでも楽になれて、やってきたことはべつに間違ってなかったんだと思って、軽く微笑んで普通に生きていてくれたらもう本当にそれでいい。
今から、ネルをだっこしながら、GOMES THE HITMANの配信を観ます。
20年以上、プライベートな景色のあちこちにいてくれた音楽を、聴きに。
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