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naitou

「粉雪の夜」


帰りがけに近所のスーパーでお買い物をして外に出たら、夜空から舞い散るのは静かな粉雪。

今はぐんと冷え込んで、黒猫をかかえてお台所で震えている私なのでね。

ねえネル。

今日は早く眠ろうか。





ライブにも行けないし、チケットもとれなかったしで、しくしくしながら、配信ライブのアーカイブを観たとたん、かなりクリアな気持ちになる。

追加のボーナストラックにて、思わずなごんだりしてね。

そのうえでの自分の言語を描きとめるために、やたらめくられてゆく無地のノート。そこに在る色彩。


そう、ひとつずつ、やってゆこう。

三日月がたどる木星のように、ちいさくきざんでゆく毎日の音色にさえも、ひとつずつ、宿してゆこう。


ひとり静かな粉雪の夜に、私はそうネルと約束したのでした。





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